自然災害で助かった命 どう防ぎますか? その2
密になりがち 感染症・肺炎に注意
避難所
≪70代女性。地震で被災し、昼は自宅、夜は避難所で過ごすうち、風邪をひいて緊急搬送。持病の気管支ぜんそくが悪化し、入院3日後に肺炎で亡くなった≫
肺炎や気管支炎のような呼吸器系の病気は、特に体調の悪化につながりやすい。熊本地震の関連死でも死因で最も多い。
津波に襲われた被災者が多かった東日本大震災では、海水に含まれていた油や化学物質、微生物を飲み込んで「津波肺」と呼ばれる肺炎になる人が次々報告された。がれきなどから飛散した粉じんを吸って肺炎になる人も相次いだ。
「密」になりやすい避難所で過ごす場合は、感染症対策も欠かせない。900人以上の関連死が出た1995年の阪神大震災では、避難所でインフルエンザが流行。「避難所肺炎」とも呼ばれた。
一方、新型コロナウイルスが猛威をふるった一昨年以降は避難所の対策に注目が集まり、「家族間の距離を1㍍以上あける」
「常時喚起し、それが難しい気候でも30分に1回は空気を入れ替える」という内閣府の通知が出された。
トイレ・食事・睡眠の質 改善カギ
それでも、避難所・避難生活学会の代表理事は不十分とみる。
「感染症対策は進んだが、自治体の理解度によって避難者が過ごす環境には大きな差がある。避難者を患者にしないため、事前準備が欠かせない」と話す。
避難所生活が関連死につながらないよう、学会が提唱している合言葉が、トイレ、キッチン(食事)、ベッド(睡眠)の頭文字を表す「TKB」だ。
T トイレが汚れていると、避難者は水分摂取を我慢するようになり、脱水症状など体調悪化につながる。手洗いもできる移動式トイレの増設が重要だ。
K 不十分は食事は急激な体調悪化につながりやすい。短期間でも栄養が炭水化物などに偏ると、高齢者は筋力や身体機能が低下してしまう。アレルギーにも対応でき、温かい食事を提供できる体制をキッチンカーなどで確保する。
B 睡眠の質の確保も欠かせない。体育館などの床の揺れが伝わって睡眠不足になりやすく、土ぼこりのような粉じんも吸い込みがちになる。段ボールベッドなどで床から30㌢以上の高さを確保したい。災害時こそ睡眠が大切。アイマスクや耳栓などを使い、避難所でも6時間以上の良質な睡眠の確保を。
雑魚寝もできる限り避けることが重要だ。
2021.11.29 朝日新聞より
前回掲載の車中泊に続いて避難所での対策をお伝えしました。
地震だけではなく、豪雨災害などいつ起こるかわからない災害に対策の備えは大丈夫ですか?
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